犯罪者といえば、人を殺し、暴力を振るうなど、他人に迷惑をかけた悪質な人間を我々は想像する。もちろん、そのような、悪質で危険な犯罪者がいることを否定するわけではない。しかし、刑務所に何度も収容される累犯者の中には、万引きなど、比較的軽い犯罪を行った者も少なからず存在する。その中には経済的困窮を理由に犯罪に至った者、知的能力が低く犯罪行ったという認識が薄い者、精神疾患を持つ者など、司法により社会から隔離するよりも医療や福祉などに繋ぐ必要がある者がいることも事実である。もっといえば、犯罪と刑罰というのは時代によって変わるものであるから、犯罪者になるかどうかも時代によって変わってくるのだ。
그는 마지막으로 승부수를 던졌다. 자신이 죽을 때까지 영원히 집권하겠다는 내용을 담은 새로운 법률을 공포한 것이다. 그것은 독재의 법칙이였다. 반대파들은 극렬하게 저항을 했지만, 법률에 따르면 그 법률에 반대하는것조차 불법이였다. 『고래』
彼は最後に勝負をかけた。自分が死ぬまで、永遠に権力を持つという内容の法律を公布したのである。それは独裁の法則であった。反対派は激しく抵抗したが、法律によるとその法律に反対することさえもが違法であった。 『鯨』
韓国においては、かつて軍事政権が続いた時代があった。クーデターにより政権を掌握した朴正熙(パク・ジョンヒ)は政権を維持するために憲法の改正を行った。この憲法の中には大統領の権限として発することができる緊急措置というのが規定されており、憲法を批判したり、改正、廃止を主張したりするような行為を違憲としていた。また、この規定によると令状がなくても逮捕することができたため、多くの人が勾留されることとなった。さらに、この時代には、男性が長髪で街を歩き、女性のスカートが短いと軽微な犯罪として扱われていた。朴正熙が暗殺された後も、軍事政権は全斗煥(チョン・ドゥファン)により続き、社会保護法や三淸(サンチョン)敎育隊など、社会を保護するという名目のもと、人権が侵害されるような制度が存在していたのである。この時代は前科があるというだけの理由で三淸敎育隊に収容され、再犯の危険性の判断のみで制裁を受けるような時代であった。
しかし、犯罪と刑罰は時代によって変化していく。今は男性が長髪で道を歩いても警察に捕まらず、前科があるだけで再び強制収容されるような時代ではない。犯罪者の社会復帰を考慮した社会貢献活動や刑の一部執行猶予といった新たな制度も作られた。ほとんどの犯罪者が社会に戻ってくることから、犯罪者を社会的に隔離、排除するより、ソーシャルインクルージョンを試みるような時代に我々はたどり着いた。そして、また、時代は変わっていく。
ソウル生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程。刑事政策専攻、現在、刑事施設の民間委託について研究を行っている。