「皆さん、こんにちは。今日は皆さんに本を一冊紹介したいと思います。」
女は地下鉄の中で本を売りはじめる。地下鉄は元々ものを売りやすいところではある。いろんな人間が乗るものだから、いろんな商品が紹介される。地下鉄で売られているものの中には、芳香剤や靴クリームがあり、排水口に詰まった髪の毛を取るもの、扇風機のカバー、傘、地球儀まである。だから、本だって売っていいはずだ。
“안녕하십니까? 여러분께 책 하나를 소개해드릴까 합니다.”
여자는 지하철 안에서 책장사를 하려고 한다. 지하철이란 데가 원래 물건 팔기 좋은 곳이기는 한다. 온갖 사람들이 다 이용하는 곳이니 온갖 물건이 다 소개된다. 지하철에서 파는 물건 중에는 방향제도 있고, 구두약도 있고, 배수구 머리카락 제거기도 있고, 선풍기 커버도 있고, 우산도 있고, 지구본도 있다. 그러니 책이라고 못 팔 건 없다.
『誰も手紙しない』
今月の一冊で選ばれたジャン・ウンジンさんの『誰も手紙しない』の主人公「私」はこのように女に会うことになります。旅先で手紙を書く男と旅先で小説を書く女の初出会いは地下鉄でした。二人の出会いのおかげですばらしい話が完成されたので、私はその出会いを記念して、地下鉄の商人に関して話してみます。
日本は駅の決まった店舗以外のところでものを売ったり客引きの行為などが厳しく禁止されていますが、韓国は駅内はもちろん走る地下鉄でもものを売る商人にたまに会えます。彼らは小さい包みを持って移動しながらものを売ったり、小説の女みたいに小さい手車を持って行ったりもします。こういう商行為はもちろん禁止されていますが、韓国ではそこまで厳しく取り締まりはしていないようです。空気の不純物みたいに考えられているのでは、と思います。
韓国で地下鉄の商人が急増したのは、1997年IMF経済危機を経験したころからです。首になった多くの人がこれという資金やインフラなしで体だけでできる地下鉄商人の世界に飛び入りました。彼らは地下鉄が混雑になる通勤時間帯を避けて、午前10時から午後5時まで活動するようです。彼らなりにはルールもあるし、決まった区域や時間表もあります。販売するものが被ったらお互い困るからだと思います。運営していた会社の都合が悪くなって直接販売しに出た人もたまにいますが、大体の人は流通会社から販売するものをもらいます。販売されるものの種類は、この小説にもいくつか書いてありますが、本当に多いです。私が直接目撃したものだけ思い出しても、大人気だったポップソングのCD、電気ハエ叩き、帽子、アルバム、歯ブラシ、洗濯用品、運動靴など…… でも、再び考えてみても本を売っている商人は見たことないですね!
韓国に25年住んでいた私も地下鉄でものを買ったことがあります。大学生のときでした。地下鉄に乗ってバイト先に行っていた途中でしたが、アルバム1個を1000ウォンで売っている商人に会いました。おじさんは、なんと写真100枚を入れられるアルバムを今のこの場だけで信じられない値段の1000ウォンで販売すると言ってました。地下鉄でどんなに安い歯ブラシや運動靴を見ても、やっぱり品質の差はあるはず、と思って、1回も買ったことがなかった私でしたが、アルバムには品質の差はなだろうと思い、手を上げてそのアルバムを買いました。おじさんが降りたあとにそのアルバムのあちこちをよく見ましたが、はがされていた部分もなかったし変な匂いもしない、とても健全な状態でした。一体なんでこれが1000ウォンなの? 怪訝な顔でそのアルバムをカバンに入れました。私のはてなマークが解決されたのは家に帰って結構な時間が経った真夜中でした。再び見てみたアルバムの表紙には「PHOTO ALBUM」の変わりに 「PHOTO AIBUM」と書いてありました。その瞬間、私のはてなマークはびっくりマークに、信じられなかった値段1000ウォンはとても納得できる値段になりました。すべてがその信じられない誤字のおかげですね。
地下鉄ではないですが、バスの商人が登場する韓国の映画1篇を紹介します。10代の後半を一緒に過ごした普通の女たちが20代を迎える状況をリアルに描いた映画<猫を頼む>です。実は、私、この映画を見てからドキドキしながら商人との出会いを待つことになりました。かわいい「PHOTO AIBUM」と出会えたのもこの映画のおかげかも知れません。
映画の主人公のテヒはバスで七色の歯ブラシを買います。歯ブラシを売っていたおじさんは家族がどんなに多くても七個だから誰でも自分だけの色を持つことができる、と虹色歯ブラシの長所を説明します。もちろん、百貨店ではものすごく高い値段だけど、ここだけでは1000ウォンだから、このタイミングでこれを買わないと損をすることだと強調します。テヒはこの歯ブラシを友だちのジヨンにプレゼントします。虹色歯ブラシを渡しながらテヒはこう言います。“虹色歯ブラシだよ。曜日や気分によって歯ブラシを選んで使えるよ” どうですか? とてもロマンティックではないですか? 曜日ごとに違う色の歯ブラシを使うことになると、気分によって違う色の歯ブラシを選べることになると、人生が少しよくなった気分になれそうなのは私だけですか? たまにはなんでもない虹色歯ブラシが人間を救援したりもします。
<猫を頼む>はこのシーン以外にも、たったいま20代になった女の子の人生や悩みをリアルに描いている映画です。もう12年前の映画ですが、現実の壁にぶつかって悩んでいる20代の姿は変わりがないようです。24時間ずっと恋愛だけしているように描かれている韓国ドラマの20代の女子を見て、韓国の女はみんなそうなのかと疑っている方に、この映画もおすすめします。チャンウンジンの小説のような生臭い現実感や暖かさが伝わってくる映画です。
地下鉄で本を売ってる商人や、「PHOTO AIBUM」、虹色歯ブラシに会いたくはないですか? 今度、韓国に旅することになったら、やることリストに「地下鉄商人からものを買う」と書いてみるのはどうですか? 商人が売ってるものを何もかも一通り買って、それにロマンティックな理由をつけて大事な人にプレゼントするのです。 <猫を頼む>のテヒみたいに。あ! 日本に帰ってからプレゼントするよりは、 <誰も手紙書かない>の主人公のように、旅先で書いた手紙と一緒に韓国から日本に送ってみるのも特別な経験になりそうですね。では、みなさん、どうですか? 地下鉄商人に会う心の準備はできましたか?
外国人労働者として日本で生活している韓国人。
いつでもどこでも人たちが疎通できる世界のために働いているけどたまにはそういう世界が本当にいいのか分からなくなったりする。